パーフェクト・レボリューション/美しい星

2017年の邦画は、リリー・フランキー祭りのようだ。今日は、パーフェクト・レボリューションを観てきた。

『パーフェクト・レボリューション』初日舞台挨拶
会場:TOHOシネマズ新宿
登壇者:リリー・フランキー/清野菜名/熊篠慶彦/松本准平監督
司会進行:小山ジャネット愛子



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リリーさんが「本日は初日にたくさん観に来ていただいて、ありがとうございます。やっと、この熊篠君をモデルにした映画が公開になって感無量ですね。長く見ていただける映画でないので初日にたくさん来ていただいて(よかった)(笑)」と、この人独特の軽やかな感じに話が向かっていった。

清野さんについては、10月からスタートのドラマ「トットちゃん!」で黒柳徹子役を演じること以外は、私は初めて知る女優さんだが、「ミツを演じました、清野菜名です。本当に一生懸命(演じたので)来ていただいてありがとうございます」とあいさつが始まると、愛知県出身らしい、ソツがなくて明るい雰囲気を感じさせた。

基本的に、リリーさんのペースに、松本監督がまじめに切り返して、飄々と熊篠さんが応じる調子で全体の流れは進んだ。
リリーさんは、「クマはずっと誰かの介助を必要としてきたが、ミツと出会って、ミツの心の介助をしようとするようになる」というストーリーの軸となる、クマとミツの心の変化を話した。「障碍者の恋愛というのではなく、映画として楽しんでもらったほうがいいと思う」と締めくくった。

清野さんも、「内容だけ聞いたら重たい感じに聞こえるけど、楽しくポップな映画になっているので」と映画をアピールした。名古屋から来られたお客さんに、握手に行くサービスも。大変うらやましい、こういう時は、愛知県民であって東京に出てきている私自身、複雑な気持ちである。やはり、愛知の人としての肯定感を失ってはならないと、こういう時には想ふ。

リリーさんは、フォトセッションの際にも、「祝 公開」のプラカードの文字に「殊勝だ」とおっしゃっていたが、実際、短期間の上映になるのか、清野さんの好演の効果で、案外、持ちこたえるのか…


さて、簡単に言えば、ハイスペックな車いすを操り、障碍者への偏見をなくすべく講演活動を行う、性欲旺盛なクマと、人格障害(パーソナリティ障害という言葉を言い換えている)を抱えるミツとの、年の差を超えたラブストーリーである。
髪をピンクに染め、何事にも率直に感情をあらわにするミツの存在感は、素晴らしく、わかりやすい。クマをサポートして講演会場に現れるようになるシーンは、頼もしさすら感じさせる。
私自身は、こういう女性は好きだし、クマの親族に怒って寿司を壁に投げつけたり、割ったビール瓶を恵理(小池栄子演じるヘルパー)に突き付けたり、海でクマと心中しようとするシーンからも、これをもって、ナントカ障害とは思えないというのが正直なところ。
カッターで腕を切るシーンなど、そういう心の病気を思わせる場面もあるけど、あんまり、障害という部分は誇張しないで、ハンディキャップを未知の世界、高みへ向かう過程で飛び越えようとする、心地よい恋愛映画だと思って見たほうがいい作品だ。

クマとミツとのラブシーンがいくつかあるが、パンフレットにも監督が、アメリカ映画をめざしたみたいなことを言っていることが書かれていて、そうだろうなと納得させられる。
シーンが特別なのではなく、一般的なシーンをいかに撮影するかに特徴のある映像。

ところで、リリーさんは、45歳という設定に感心。実年齢より若い役を演じるとは。

丘みつ子さんなど、興味深いキャストもそうだが、観るポイントの多い、注目できる映画だと思う。

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リリーさんといえば、7月までに、『美しい星』を観た。これも短期間でロードショーが終わってしまったが、三島由紀夫の原作を想起すれば、よくできていたと思える。

リリーさんの宇宙人のポーズが、もっと話題になっても良かったはずだが、世界観が十分に伝わらないうちに、上映館が減っていってついには、宇宙の彼方の星屑のように消えてしまった、そういう印象。

原作もこの映画も、結末はどうにもあっけなく、物語の世界をまとめきれないまま宙に浮かんでしまったような趣。


橋本愛さんの美しさが記憶にある。感動的で、”見とれる”という感覚を久しぶりに覚えた。

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どちらも、きれいで魅力のある女優さんがいる作品。リリー・フランキーさんが何かしらソウルか霊力か何かを持っているのかもしれない。あの映画でも、たしかラストシーンのリリーさんは、車いすだった。

ついでながら、『美しい星』の劇中曲の元歌は、平沢進の「金星」である。

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