陽気なギャングが地球を回す

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渋谷・アミューズCQNで、『陽気なギャングが地球を回す』(監督・前田哲)を、ようやく観ることができました。きのう29日(木)・今日30日(金)と2回観ました。そして今日は、同館上映最終日でした。

原作は読んでいませんが、興味をそそるタイトルと、加藤ローサさんのパープルのヘアーが佳作を予感させてくれたので、必ず観ようと思い続け、どうにか時間を割いて…正解でした。

映画の中で4人のギャングがやっていることは強盗罪。そういう社会的に正当化できない行為を痛快に見せる作品というものはえてして、ハードボイルドの雰囲気が漂い、ユーモアを絡めながら皮肉な結末に落ちていくか、あるいは、中途半端でつかみどころのないドタバタに終始するか…そのどっちかであれば残念な評価を下さざるを得なかったでしょうが、そのいずれでもなく、むしろ新しい要素を感じさせる面白い雰囲気があったように感じました。なかなか良い部類に属するエンタテインメント作品だと思います。

佐藤浩市扮する響野の存在感と言葉のパワーが圧倒的な秀逸さを見せていました。「ロマンはどこだ」の台詞が冒頭からストーリー全体を最後まで引っ張っていきます。彼の銀行での演説は、どうやったらそんなふうにまとめられるのか羨ましくなりましたね、あんなふうに語ってみたい(笑)。

また、大沢たかお扮する成瀬の安定感、クールさはよく喋って表情多彩な響野とのコントラストが素晴らしい。走る感じとか、話し方が、『セカチュー』の朔太郎と変わらないのに^^;こちらではギャングでキマッているのだから不思議です。大沢さんの持ち味なのかも知れません。

そのほかの登場人物の個性もそれぞれユニークで、退屈しませんでした。映像技術の面でも、カーチェイスでCGを入れる程合いなどに無理がなく、ストーリー的にも、4人を利用しようとする黒幕の正体、トランクの中身がすり替わる展開、悲劇の結末かと思わせた後の種明かしなど意外性にみちて、時間が気にならず…。
さらに、子どもに「ゾウを冷蔵庫に入れるための3つの条件は?」とクイズを出されて、考える響野、久遠(松田翔太演ずる)、祥子(加藤ローサ)のさまなどは、特に祥子の両目が真ん中に寄った顔が楽しく(笑)、ほのぼのした場面でよかったです。

終演も間近ということで、お客さんは少なかったですが、若い女性は「面白かったねぇ~!」と口々に感想を話していた感じからも、この作品の充実度がうかがえるところです。

『シムソンズ』(3月ブログ記事参照)をはじめ、今年前半の加藤ローサさんの活躍も見ていて楽しいです。この方は、可憐なようですが思いのほか明るく元気な雰囲気で私は好きです。この映画、実のところ、ローサさんが出ていなかったら観ることにこだわらなかったかも知れません^^;。

東京都では、明日以降、上映はおそらくシネカノン有楽町のレイトショーが残るのみ。興味ある方、映画館へ急ぎましょう、ロマンを探しに(*^_^*)!
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〈2007年4月12日追記〉
4人が最後に強盗に入る銀行のロケ地が、豊橋市公会堂だったのは驚きでした。昭和時代初期に建てられた近代建築で貴重。豊橋は子どものころ縁のあった土地。豊橋ののどかな住人たちは、こんな素晴らしい建物が自分の街にあるという奇跡を実感しているだろうか(^^;)。

〈2007年5月13日追記〉
前田哲監督の最新作、『ドルフィン・ブルー フジ、もういちど宙へ』が07年7月7日全国公開。
主演は、松山ケンイチ、高畑充希。

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